理事・関西部会長　古沢　昌之(近畿大学)

2019年2月9日(土)、近畿大学(大阪府東大阪市)にて第8回関西部会が開催された。ご多忙中にもかかわらずご参加いただいた会員の皆様に対し、心より御礼申し上げる次第である。以下、詳細については、株式会社313の中阪裕樹先生の寄稿文をご一読願いたい。

〈報告と所感〉中阪裕樹（株式会社313 事業統括マネージャー）

　2019年2月9日(土)に開催された第8回関西部会に参加して、以下の所感を記載します。

　会合は、優しい語り口の阪南大学の李兌賢先生の総合司会で始まり、今回の開催校である近畿大学の田端昌平先生の開会挨拶があった。

　研究報告① は、近畿大学の古沢昌之先生から「現地化戦略に関する一考察〜株式会社中農製作所(東大阪市所在の中小企業)のベトナム進出の事例から〜」の発表があり、ベトナム人の技能実習生・正社員の活用を通して、会社の事業再構築とベトナム工場進出から現地販売まで全社業績の向上に寄与している事例が紹介された。外国人の活用は、多くは補完業務に終始しがちだが、ベトナム現地法人の社長にまで登用した成功例で、大変興味深い事例発表であった。コメンテーターのリロ･パナソニックエクセルインターナショナル株式会社の村田敏也先生からは、現地化のメリットの享受、デメリットの克服などの感想があり、ベトナム人正社員雇用の課題克服等の質問が出され、今後の外国人労働者の正社員化、登用方法の対応に大いに有益な事例であったと確認された。

　研究報告② は、立命館大学の楊秋麗先生から「中国大型国有企業の再編〜『官官競争』志向からグローバル競争志向へ〜」の発表があり、研究目的、研究背景と具体的には「政企分離」から企業の株式会社化改革、グローバル市場進出の課題など、中国国有企業の未来予想図を提示され、日頃情報の少ないテーマだけに大変興味深かった。コメンテーターの大阪商業大学･兵庫県立大学の安室憲一先生からは、中国の国営・国有企業の方向性と海外拡張「一帯一路」の再確認がされて、認識をさらに深めることが出来た。

　研究報告③ は、神戸大学大学院の梅根嗣之先生から「日本企業のグローバル化と財務活動」の発表があり、「グローバル化は現金価値を増やす。資金制約指標は現金価値を増やさず、成長性指標ではトービンのqが現金価値の増加に寄与する」ことが述べられた。私にとっては難しいテーマであったが、コメンテーターの関西学院大学の藤澤武史先生から、本研究の問題意識と狙いが「理論通り」とのコメントもあり、大変興味深い発表であった。

　最後に、本学会の馬越恵美子会長から、総括コメントがなされ、発表者の3名の先生に丁寧な御礼のお言葉をいただいた。

　研究会終了後は、近大に近い「ちゃんこ料理・奄美」(時津風部屋直伝のお店)で懇親会が開催された。冒頭新入会員が紹介された後、本学会の理事で亜細亜大学の佐脇英志先生による乾杯のご発声で開宴となった。懇親会では、会員相互の活発な交流が行われ、最後は公益財団法人関西生産性本部の辻本健二先生のご挨拶があり、和やかなムードの中、閉会となった。今回の関西部会には27名の参加があり、年2回の開催を継続しており、益々盛り上がっていると感じる次第です。

と　き　2019年2月9日(土) 14:00〜19:30
ところ　近畿大学 38号館2F「多目的教室」

＜総合司会　阪南大学　李 兌賢 氏＞

1. 開催校挨拶 14:00〜14:05　近畿大学　田端　昌平 氏

2. 研究報告① 14:05〜14:45(報告=20分､コメント=5分､コメントへの応答=5分､全体質疑応答=10分)

=休憩(14:45-14:55)=

3. 研究報告② 14:55〜15:55(報告=30分､コメント=5分､コメントへの応答=5分､全体質疑応答=20分)

=休憩(15:55-16:05)=

4. 研究報告③ 16:05〜17:05(報告=30分､コメント=5分､コメントへの応答=5分､全体質疑応答=20分)

5. 総括コメント 17:05〜17:10

6. 懇親会 17:30〜19:30

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