関西部会

異文化経営学会 第14回関西部会のご報告

2022/03/19

理事・関西部会長 古沢 昌之(近畿大学)

2022年3月19日(土)、異文化経営学会第14回関西部会がオンラインにて開催された(参加申込者=33名)。年度末にも関わらずご出席を賜った会員の皆様に厚く御礼申し上げる次第である。
以下、詳細については、宇都宮大学の鄭安君先生(本学会会員)のご寄稿文をご一読願いたい。



<報告と所感> 鄭安君(宇都宮大学国際学部附属多文化公共圏センターコーディネーター)

第14回関西部会が2022年3月19日(土)にオンライン(Zoom)で開催された。総合司会はクリーンケミカルの阿坂利裕氏が担当し、3件の研究報告と意見交換が行われた。
第1報告は、立命館大学の寺﨑新一郎氏より「『場所に関連した概念』のホリスティック・レビュー―Made in イメージは消費者の購買行動をどう変化させるのか―」をテーマに行われた(コメンテーターは高知大学の磯田友里子氏)。ご著書の『多文化社会の消費者認知構造:グローバル化とカントリー・バイアス』の論考をベースに、最新の研究成果を交えて、カントリ・オブ・オリジン(country-of-origin, COO)について理論的な考察がなされた。COOは製品シグナルの一つであり、消費者が製品属性に関する情報が不足する場合に有用な手がかりとなるものである。今後のマーケティング・消費者行動研究への示唆に富んだ報告であった。
第2報告は、本学会理事・関西部会長である近畿大学の古沢昌之氏より「日本企業における元外国人留学生社員に対する人的資源管理の研究―ダイバーシティ & インクルージョンの視点を踏まえて―」をテーマに行われた(コメンテーターは山口大学の有村貞則氏)。同報告では、①元外国人留学生社員に対する「人的資源管理施策」、②元外国人留学生社員の「組織へのインパクト」、③外国人留学生採用による「効用」の促進要因(人的資源管理施策等との関係性)の3つのリサーチクエスチョンに基づいて、東証一部上場企業に対して実施したアンケート調査結果の発表がなされた。統計分析から日本企業においては「インクルージョン」の実現に向けた人的資源管理面に改革の余地があることなど、企業の元留学生社員活用に関する重要な問題提起があった。
第3報告は、北海商科大学の堤悦子氏より「グローバルな視点から考察する人的資源のマネジメント―大学における人材育成―」をテーマに行われた(コメンテーターは本学会監事でEQパートナーズの中村好伸氏)。大学の教育現場での問題意識や企業との連携ケースに基づき、日本における人材育成を巡る課題と大学の役割を論じた報告であった。グローバルな視点と自由な発想を持ち、イノベーションを創出できる人材の育成の必要性を再認識する機会となった。
第14回関西部会は、先行研究と理論に基づく論考、定量調査による考察、実践的側面を踏まえた問題提起など、刺激的かつ多様性を持った報告で構成されていた。コメンテーターは発表者の考察をさらに深める建設的な助言と質問を述べ、フロアからも活発な意見が出されて議論が盛り上がった。そして、研究会の最後には、本学会会長である桜美林大学の馬越恵美子氏から総括コメントを賜った。また、古沢関西部会長からは、9月に予定している次回部会はコロナ問題が収束していれば対面で実施したいこと、及び研究発表の立候補と学会誌への投稿を期待している旨が述べられた。
今回の関西部会は、本学会の特色である「実務家とアカデミックのコラボレーション」「多様な視点」を象徴するものであった。世界情勢が混沌とするなか、こうした異なる立場や視点から知恵を出し合う場が今後一層大切になると思われる。そして、研究報告とそれを巡る議論を活かした論文投稿の必要性と重要性を改めて考えさせられる部会となった。


1. と き 2022年3月19日(土)14:30〜17:50 ※Zoomによる開催
2. 内 容
<総合司会> クリーンケミカル・阿坂 利裕 氏

【進め方の説明、諸注意など】14:30〜14:35

【研究報告①】14:35〜15:30(報告=25分、コメント=5分、コメントへの応答=5分、全体質疑応答=20分)

・報告者 立命館大学・寺﨑 新一郎 氏
「『場所に関連した概念』のホリスティック・レビュー―Made in イメージは消費者の購買行動をどう変化させるのか―」
・司会・コメンテーター 高知大学・磯田 友里子 氏

=休憩(15:30-15:40)=

【研究報告②】15:40〜16:35(報告=25分、コメント=5分、コメントへの応答=5分、全体質疑応答=20分)

・報告者 近畿大学・古沢 昌之 氏(本学会理事・関西部会長)
「日本企業における元外国人留学生社員に対する人的資源管理の研究―ダイバーシティ & インクルージョンの視点を踏まえて―」
・司会・コメンテーター 山口大学・有村 貞則 氏

=休憩(16:35-16:45)=

【研究報告③】16:45〜17:40(報告=25分、コメント=5分、コメントへの応答=5分、全体質疑応答=20分)

・報告者 北海商科大学・堤 悦子 氏
「グローバルな視点から考察する人的資源のマネジメント」
・司会・コメンテーター EQパートナーズ・中村 好伸 氏(本学会監事)

【総括コメント】(17:40〜17:45)

・桜美林大学・馬越 恵美子 氏(本学会会長)

【諸連絡】(17:45〜17:50)

・ 今後の活動等について

以上


以下の画像をクリックすると大きなお写真をご覧いただけます。


* * * * * * * * * * * * * * * *
<<関西部会一覧へ戻る
このページのトップへ▲