関西部会
異文化経営学会 第15回関西部会のご報告
2022/10/18
理事・関西部会長 古沢 昌之(近畿大学)
2022年10月1日(土)、谷岡学園・梅田サテライトオフィスにて、第15回関西部会が開催され、24名の会員にご参加いただいた。関西部会としては、2019年9月28日(第9回部会)以来の対面開催となった。ご出席を賜った会員の皆様に心より御礼申し上げる次第である。
以下、詳細については、本学会会員のヤンマーホールディングス・西村博昭氏の所感をご一読いただきたい。
<報告と所感>
ヤンマーホールディングス株式会社人事部専任部長 西村博昭
去る2022年10月1日、谷岡学園・梅田サテライトオフィスにて第15回関西部会が開催され、24名が参加した。今回は2019年9月以来3年ぶりの対面式の部会であった。
当日は、古沢昌之部会長による開会挨拶によりスタートし、第1報告として、近畿大学・古沢昌之先生から「ダイバーシティ & インクルージョンに関する一考察―本多機工における外国人留学生の採用・活用の事例から―」というテーマで報告があった。九州の企業についての調査をもとに外国人留学生が異文化シナジー創出、バウンダリー・スパナ―としての働きといった多様性の果実をもたらす可能性についての示唆が示された。報告の後、神戸学院大学・藤原由紀子先生より、外国人留学生をインクルージョンするための効果的なマネジメントの在り方とそこから得られる成果を明らかにした貴重な研究であるとのコメントがあった。今回の報告では、大変斬新な視点が盛り込まれており、今後のD&I研究にインパクトを与えることを感じさせる内容であった。また、今回の事例は、多くの企業にとっても学ぶところの多いものであると思われる。
第2報告は立命館大学・舟橋豊子先生による「新興国における零細小売業」というテーマでの報告であった。流通・マーケティングの変化の中での新興国の伝統流通の状況・役割についてインドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インドの具体的な事例をもとに報告された。コメンテーターの龍谷大学・地頭所里紗先生より、アジア新興国における零細小売業が流通構造に果たす役割を分析された興味深い研究であったとのコメントがあった。合理化の流れの中でともすれば大規模流通の拡大と小規模店舗の淘汰という構図が世の中の動きととられがちだが、あらためて小規模店舗が社会に果たす役割を提示したことは大変意義があったと思う。特に小規模店舗がコミュニケーションの場にもなっており存在価値を示している点は興味深い。今後はアジア以外の国における調査・分析も期待されるところである。
第3報告は、立命館大学・寺﨑新一郎先生より「ロングインタビューの四つのステップ」について報告がされた。寺﨑先生が翻訳された書籍について要点をご紹介いただく内容であった。コメンテーターの神戸国際大学・田端昌平先生からは、質的調査と量的調査の違いが明確にされており、行間を読むことが必要であるとのコメントがあった。リサーチに必須であるインタビューについて論理的・体系的かつ実践的にまとめられており、大変示唆に富む内容と感じた。また、インタビューの録音についてプロコンの意見が出されディスカッションが行われたことも大変興味深いものであった。さらに、今回の内容は、企業の実務担当者(例:人事や採用担当)にとっても示唆をあたえる内容であった。
久しぶりの対面形式ということもあったが、各報告とも非常に活発なQ&Aがあり、全体的に大変盛り上がった部会となった。 最後に、学会長の馬越恵美子先生より、対面形式は学会の原点であり実施できて良かったこと、および出席者の1/3、登壇者の2/3が女性でありInclusionが進んでいることを実感したとのコメントがあり、閉会した。
全体を振り返って、リアルの良さをあらためて実感した部会であった。今後とも、リアル開催のメリットをフルに生かし、活動継続がされることを期待したい。
と き 2022年10月1日(土) 14:00〜17:30
ところ 谷岡学園・梅田サテライトオフィス(グランフロント大阪 タワーA(南館)16階)
内 容
<総合司会: 羽衣国際大学 金 艶華 氏>
・テーマ 「ダイバーシティ & インクルージョンに関する一考察―本多機工における外国人留学生の採用・活用の事例から―」
・司会・コメンテーター 神戸学院大学 藤原 由紀子 氏
・テーマ 「新興国における零細小売業」
・司会・コメンテーター 龍谷大学 地頭所 里紗 氏
・テーマ 「ロングインタビューの四つのステップ」
・司会・コメンテーター 神戸国際大学 田端 昌平 氏
以上
2022年10月1日(土)、谷岡学園・梅田サテライトオフィスにて、第15回関西部会が開催され、24名の会員にご参加いただいた。関西部会としては、2019年9月28日(第9回部会)以来の対面開催となった。ご出席を賜った会員の皆様に心より御礼申し上げる次第である。
以下、詳細については、本学会会員のヤンマーホールディングス・西村博昭氏の所感をご一読いただきたい。
<報告と所感>
ヤンマーホールディングス株式会社人事部専任部長 西村博昭
去る2022年10月1日、谷岡学園・梅田サテライトオフィスにて第15回関西部会が開催され、24名が参加した。今回は2019年9月以来3年ぶりの対面式の部会であった。
当日は、古沢昌之部会長による開会挨拶によりスタートし、第1報告として、近畿大学・古沢昌之先生から「ダイバーシティ & インクルージョンに関する一考察―本多機工における外国人留学生の採用・活用の事例から―」というテーマで報告があった。九州の企業についての調査をもとに外国人留学生が異文化シナジー創出、バウンダリー・スパナ―としての働きといった多様性の果実をもたらす可能性についての示唆が示された。報告の後、神戸学院大学・藤原由紀子先生より、外国人留学生をインクルージョンするための効果的なマネジメントの在り方とそこから得られる成果を明らかにした貴重な研究であるとのコメントがあった。今回の報告では、大変斬新な視点が盛り込まれており、今後のD&I研究にインパクトを与えることを感じさせる内容であった。また、今回の事例は、多くの企業にとっても学ぶところの多いものであると思われる。
第2報告は立命館大学・舟橋豊子先生による「新興国における零細小売業」というテーマでの報告であった。流通・マーケティングの変化の中での新興国の伝統流通の状況・役割についてインドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インドの具体的な事例をもとに報告された。コメンテーターの龍谷大学・地頭所里紗先生より、アジア新興国における零細小売業が流通構造に果たす役割を分析された興味深い研究であったとのコメントがあった。合理化の流れの中でともすれば大規模流通の拡大と小規模店舗の淘汰という構図が世の中の動きととられがちだが、あらためて小規模店舗が社会に果たす役割を提示したことは大変意義があったと思う。特に小規模店舗がコミュニケーションの場にもなっており存在価値を示している点は興味深い。今後はアジア以外の国における調査・分析も期待されるところである。
第3報告は、立命館大学・寺﨑新一郎先生より「ロングインタビューの四つのステップ」について報告がされた。寺﨑先生が翻訳された書籍について要点をご紹介いただく内容であった。コメンテーターの神戸国際大学・田端昌平先生からは、質的調査と量的調査の違いが明確にされており、行間を読むことが必要であるとのコメントがあった。リサーチに必須であるインタビューについて論理的・体系的かつ実践的にまとめられており、大変示唆に富む内容と感じた。また、インタビューの録音についてプロコンの意見が出されディスカッションが行われたことも大変興味深いものであった。さらに、今回の内容は、企業の実務担当者(例:人事や採用担当)にとっても示唆をあたえる内容であった。
久しぶりの対面形式ということもあったが、各報告とも非常に活発なQ&Aがあり、全体的に大変盛り上がった部会となった。 最後に、学会長の馬越恵美子先生より、対面形式は学会の原点であり実施できて良かったこと、および出席者の1/3、登壇者の2/3が女性でありInclusionが進んでいることを実感したとのコメントがあり、閉会した。
全体を振り返って、リアルの良さをあらためて実感した部会であった。今後とも、リアル開催のメリットをフルに生かし、活動継続がされることを期待したい。
と き 2022年10月1日(土) 14:00〜17:30
ところ 谷岡学園・梅田サテライトオフィス(グランフロント大阪 タワーA(南館)16階)
内 容
<総合司会: 羽衣国際大学 金 艶華 氏>
1. 開会挨拶 14:00〜14:05
・近畿大学 古沢 昌之 氏(本学会理事・関西部会長)2. 研究報告① 14:05〜15:00(報告=25分、コメント=5分、コメントへの応答=5分、全体質疑応答=20分)
・報告者 近畿大学 古沢 昌之 氏・テーマ 「ダイバーシティ & インクルージョンに関する一考察―本多機工における外国人留学生の採用・活用の事例から―」
・司会・コメンテーター 神戸学院大学 藤原 由紀子 氏
=休憩(15:00-15:10)=
3. 研究報告② 15:10〜16:10(報告=30分、コメント=5分、コメントへの応答=5分、全体質疑応答=20分)
・報告者 立命館大学 舟橋 豊子 氏・テーマ 「新興国における零細小売業」
・司会・コメンテーター 龍谷大学 地頭所 里紗 氏
=休憩(16:10-16:20)=
4. 研究報告③ 16:20〜17:20(報告=30分、コメント=5分、コメントへの応答=5分、全体質疑応答=20分)
・報告者 立命館大学 寺﨑新一郎 氏・テーマ 「ロングインタビューの四つのステップ」
・司会・コメンテーター 神戸国際大学 田端 昌平 氏
5. 総括コメント 17:20〜17:25
・桜美林大学 馬越 恵美子 氏(本学会会長)6. 諸連絡 17:25〜17:30
以上